時代の?世代の?ニーズに自分のやりたいことをうまく合わせていく。多分わたしは写真の方が上手だけど、文章の方がわかりやすい。
今の時代に生きる人たちに写真論っていうものが段々なくなってきている。
この間買った潮田登久子の「マイハズバンド」の感想を、何かでチラと見た時。いわゆる被写体、何が写っているか、それをすてきだった、羨ましいみたいなものが多かった。ハズバンドである島尾さんの「まほちゃん」の帯にはホンマタカシが「この家に生まれたかった!」とか書いてある。何言ってんのこいつ適当すぎるだろ。
俺は絶望した。
じゃあわたしの感想はどうかというとそう違いないものではある。けど本当にそうなのかな写真の言語化ってめちゃくちゃ難しいよね。
潮田さんの写真はカメラとの対話みたいなところがちょっとあると思う。日常の景色だけじゃなくて、カメラがあったから撮ってみたというような写真が入り込んでくる。批評家の人たちはこういうところに「母でも女でもない潮田さんの写真家としての時間を見る」とかいうのだろうか。わたしは、潮田さんはカメラとの関係をいつでも新鮮なものにできる人なんだと思う。かっこいいな。カメラが手に馴染すぎると写真を撮らなくて良くなる。目が体が全部を写真にするから。写真を撮るというフィジカルじゃなくて、頭の中で写真をやるというロジカルが勝つ。
しっかし、6×6の正方形の中で絶妙に水平のずれた写真を入れるのがうますぎる。そのバランスのずれが見ていて目が楽しい。写真は正しくなくていい。撮る時の自分のことが1番大事だ。気持ちとかタイミングとかね。
こういう写真があるから、潮田さんのやってきたことが優れた記録になっているのだと思う。見たこともないトースター、いわゆる昭和っぽいもの、見たこともない上品な階段の手すり見たことのない誰かの日常。
こういう写真を見るときに特殊な環境にいる人たち、有名人、まほちゃんみたいな風な目を持つのは間違えてる気がする。
とびきり可愛い子供と、いい光を特別に捉えていないところがいい。フラットな目線はいい。可愛い子供とすてきな光の写真集ならこの写真集は要らない。子供もハーハズバンドも景色になっている。
最近は可愛い奥さんを写真家の旦那が可愛く撮った写真集とかあるけど、
奥さんのこと可愛いって思ってるだけの可愛い奥さんが写った写真で、わたしにはあまりよさがわからない。
潮田さんはこの家に住んでいる人なのに、初めてこの家に来たみたいな写真を撮る。これは...もしかして...わたしたち、オーディエンスのためなのか...!?
うひょーっ、潮田さん。かっこいい人なんだと思う。
book2の方は35mm。6×6のbook1より潮田さんの目線のあたたかさが見える気がする。ちょっと恥ずかしいみたいな気持ちになるのは、潮田さんが最後まで35mmの写真を入れるか迷っていたことを知っているからかもしれない。詳しくは長島有里枝の感想を読んでください。
美術評論家の人が潮田さんの物撮りを舞踊のようだと言ったが、それはあくまで外側の人の目線だ。かなり恥ずかしい文章でしょうねこれ。
本当に写真をやっている人は自分がやっていることを舞踊だとは言わないし思わない。人を見てもそう思わない。わたしたちは写真に囚われている。どうして写真じゃなきゃいけないのかわからないのに、写真を撮りたいと、写真をやりたいと思わざるを得ない。それは他の何か、崇高な芸術に例えられるようなことじゃない。
もう少し前の時代って、もう少し皆が写真的な目線を持ててたと思う。今の写真論って多分インスタやSNS、自撮りとか関する時代的なものなんじゃないのかな。(またはそれとの比較)今写真を見てどう思うかと言うこと、今の時代における潮田さんや島尾さんの記録写真(と、言うのが正しいのかわからないけど)をどう言うふうに捉えるかみたいなことはあまり見ない。
写真を見る人に大して正しいアプローチを取りたいんじゃない。誰に何を思われたっていい。わたしは写真が撮れている。ちゃんとやっていれば多分、わかる人は皆同じ言語で話ができると思う。
写真の良さって一体なんだろう。
わたしにとっての写真は多分みんなとは少し違う。でも、写真を見ることができる人はいる。「なんか良い!」、「写っているものがいい」以外に何が思えるか写真と写真集とじっくり会話して見てほしい。
写真を見て「この人は〜」と、写真を撮った人のことを話す人はなんとなく話が通じそうだなって思う。
わたしは自分にとっての写真が何かわかっていない。
エンタメでもなく、軽いものでもある。重いものでもある。
絵より簡単にマスターできそうに見える写真が、こんなに奥深く日の当たらないものとは、誰も思わないんじゃないかな。
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今日はバイト後、吉祥寺に行った。
久しぶりにお出かけ?をしてGUの試着室で見た、プリン頭にギョッとした。
バイトしたり散歩したりしているけど、引きこもって生きているなと実感。
ビオデルマの顔とボディクリームを買う。クソでかいのしかなかったけど、プラザに小さいのが売っていた。いつもはしないけど、最近指輪をしたい気分だったので2つも買った。GUでGパンも買う。なぜかめちゃくちゃ金を使った。おかしいな。
いっぱい歩く用じゃない靴を履いてきて足の裏のタコが痛い。ちんたら一駅歩いて帰って家に着いて4時間寝た。起きたら22時だった。
冷凍の餃子を茹でて、茹で汁でスープを作った。昨日のパスタの残りは明日食べる。
菜の花も餃子と一緒に食べ、今。
顎に当たる髪が痒い。
髪を染めるか、ぐりぐりのパーマをかけるか迷っている。今がきっと1番たのしい。