送ろうとして昨日忘れていたっす送ります。
12/3
今日は父と兄で池袋。
芸術劇場。日本人のへそ、虚構の劇団解散公演。
生まれて初めて見た舞台が虚構の劇団で、思い入れがある。
回想。父は演劇好きな学生だったらしく、そんな大学生になって欲しかったのか、グローブ・ジャングル(座高円寺)に連れられる。
内容は覚えてないのだけども、andymoriのsunrise sunset が劇中曲だったのと、杉浦一樹さんの立体的なお顔立ちに、小沢道成さんの挙動に、渡辺さんの表情とダイナミックさにまじまじ集中し、ロビーまで役者が挨拶しにきてくださるんだ…と緊張して無言で頭を下げたのは覚えている。
帰り道に昂っていた私は横目に映った高円寺のアサヒサイクルに、大人になったらここで自転車を買うんだと何故か強く誓った。
それから舞台に生にハマり、美術に魅了されそんな感じの仕事をした。
今回の日本人のへそは、井上ひさし(ひょっこりひょうたん島の作家さん)作、1969年初演のものを鴻上尚史が演出。ミュージカル的だった。
吃音症患者の治療法として、ド田舎から上京した女性が職を転々として浅草でストリッパーになると言う舞台を、舞台の上でやるお話。
鴻上尚史のいつものご挨拶には、最初で最後の挑戦と書かれていたが、正直鴻上さんの戯曲が見たかった。
大道具小道具セリフ、舞台上でのアクシデントが多い回で、劇団員(スタッフ)同士でフォロー、イチャイチャする姿が可愛らしくて本当に仲が良いんだなぁと見てとれる。
小沢さんのナヨナヨに、三上さんのアドリブの自然な笑いに、小野川さんのパンチラに、キュンッとした。
終演し、馬肉料理屋さんで感想を言い合う。
上記のことを話す。
あの時最初に難解な舞台でも見たら、ハマらなかったもしれない。
鴻上尚史が戯曲、あのメンバーが集まった公演はもう見れないのか。
しみじみ耽る。
そんな回想に兄はいなかったから、そーなんすね、いやぁ舞台面白かったす。とニコニコするのを見る。
あの時、座高円寺にいたら何か違ってたのだろうか。
兄の目は何を見るのだろうか。なんて考える。
身の回りが大分落ち着いたからこそ、仕事を考えるようになり、何故なのか輝いて見えたものと見えるものを集めることが多い気がする。
帰り道ジュンク堂に寄り、9Fから降る。
兄は、デジタル背景の参考を探す。
私は、画集をパラパラ見て、ビジネス書、いや違うと、小説に行っても何故か今読みたいが見つからず(積読が凄まじいもある)、サラッと読めそう面白そうな本を手に取る。
私も1つをずっとと言う人間が良かった。と嘆いたら、飽き性だから無理だよと言われて笑った。
東京に引っ越して、安さ故に通販で自転車を買った。
高円寺アサヒサイクルで自転車を買う誓いを思い出したのは、舞台に行く余裕が出来てからだった。
面倒くさがっていた防犯登録を、せめてもの思いで誓いの場所で貼ってもらう。
夏は暑いだ冬は寒いだので乗らなくなった自転車は、空気の入れ方がわからなくてぺちゃんこのタイヤのまま放置。
今日空気を入れると意気込んで帰宅したがやっぱり出来ず、向き不向きがあると思い込む。
サラッと読めそう面白そうな本片手に布団にくるまるのがきっと正解。
冬だし寒くなったし、師走ですね。