みんなの交換日記

つながりがなさそうであるみんなの自由参加型交換日記ブログ

22.02.12 渡邊

新幹線こだま711号で新大阪に向かっています。いまどのあたりだろう、さっき三島を過ぎたところだから、新富士の手前あたりか。
 
なんか、僕の周囲のデキる作家とか編集者とかが、京阪神方面に遠征する時に、新幹線の座席のトレーのせた崎陽軒のシューマイ弁当を、さもこれから食べまっせーって状態で写メした画像にちょこっと洒落た感じの短文を加えてSNSに投稿するムーブメント(?)みたいのがあって、それにちょっとだけ憧れてたので今回初めてやってみようと思って弁当買って蓋開けてお箸並べて、それぞれの位置を微妙に調整して写メってみたんだが、とりたてて何の感慨も湧かなかったので、投稿するのはやめました。
 
なぜみんな崎陽軒のシューマイ弁当にこだわるんかなあ、ギョーカイ的にオシャレとされてるんかなあ、崎陽軒? っていう素朴な疑問がずっとあって、でも、実際に彼ら彼女らの行動をトレースしたことで気づいたことがある。全方位的にコスパが良いんですよ、崎陽軒は。
 
まずは安いこと。
 
東京駅構内で売ってる大半の駅弁は、サンドウィッチ的な軽食類を除くけば、たいてい1000円以上はするのに、崎陽軒のシューマイ弁当860円(税別)。ペットボトルのお茶を足しても1000円。
 
それと、適度なボリュームと安定した味。
 
めちゃめちゃ美味しいわけではないけれど、そこそこ食べられて、味のばらつきもない。ボリュームについては多くも少なくもない、一食たいらげてもプラスアルファでなにか食べられるくらいの腹八分目感。つまり、弁当食べた後でも食のオプションが担保される。つねに余力、余白、予期せぬ事態に対応できるだけの余裕を持てる。
 
デキる人って多忙だから、食事とかにあまりかまってられないわけですよ。ゆえに、なにか1つ決めておけば、迷うことがない。それはすなわち脳のリソースも時間も無駄に使わなくて済むことになる。あれだ、スティーブ・ジョブスがいつも同じ黒のタートルネックか黒のTシャツ着て、同じようなデニム履いてるのと同じ。たぶんあれGAPなんだろうな、アメリカにおけるユニクロ
 
価格、品質、量、手間。
 
結局彼ら彼女らが崎陽軒のシューマイ弁当を選ぶのは、多忙な職業人にとって合理性が高いからなんだという仮説。お話。
 
 
新富士駅に停車。
 
そういえば、新富士駅のホームには「富陽軒」っていう弁当屋があるんですよ。これはおそらく崎陽軒インスパイアーなんだと思う。
 
今回の遠征は5〜6日間で大阪・京都・名古屋を回る。大阪では石川竜一展、佐伯慎亮展、落合陽一展、リヒター展、加えて忘れちゃならない中之島美術館のオープニング展。京都では梅津庸一展と岸田劉生展に加えて、KYOTOGRAPHYの中の人とかと会う予定。で、名古屋では高橋恭司展と3月からオープンするギャラリーの下見等。
 
名古屋、4年ぶりなので、変わってるんだろうな。市内中央の栄にある、浜田省吾ファンが集う店「路地裏の少年」は新型コロナに負けずに営業を続けているのだろうか?
 
最後に、僕は渡邊浩行といいます。アラフィフのおじさんです。仕事は編集者でライターで、頼まれればカメラマンもやります。ムラタとは北村花子さんが働いていたお店のカウンターで隣に座ったことが縁でたぶん5年くらい前に知り合いました。まだ鼻ピはしてなかったはずです。「上尾の宝」(微妙)、ムラタエリコをよろしくお願いします。