みんなの交換日記

つながりがなさそうであるみんなの自由参加型交換日記ブログ

2/10 シホ

引っ越しも落ち着き、雪だし暇だし、インスタを見ていたら、触るについて伊藤紺さんの短歌があり共感したのでつらつら書く。

いつの時か、母は自分が触る範囲を決めた。

その範囲を許可なく触れたら怒られた。

祖母であろうとも誰かが家を訪ねてきたら、ドアを丸ごと、アルコール消毒し布巾で拭く。

外から帰ったら監視されながら手を洗わされる。決まった順番があった、間違えたら最初からやり直す、長い時は1時間くらい。もういいよと言われるまでふやけた手を擦り合わせる。

そのうち母は素手で物を触らなくなった。医療用ラテックスグローブ(薄い手術用のゴム手袋)をつけて生活した。

物に触らなくてもはめたり捨てたりしている後ろ姿を見つめていた。

部屋は、ストックのラテックスグローブが入った段ボールで山積みになった。

母に触られることもなかったし、そのグローブ越しでさえ、万が一触れてしまったりするのが酷く恐ろしかった。

外を出ても、ふとした時に間接的にでも人に触れる触れられるのが怖くて、ずっとビクビク緊張した。

実家の引っ越しで、長い廊下の奥の部屋を渡される。

私と母の生活は別でルームシェアのような暮らし方だった。

物理的な距離を置く事で緊張感は前ほどはなくなるも、何が触っていいものなのかいけないものかのか判断が難しくて居心地が悪かった。

徐々に人との物理的距離感がわかるようになったのは、酒場で働くようになった大学生の頃くらい。

手を握られるなど相手からされる事に、私もしていいんだと安心したし、温かった。

実家を出てから母と丁度良い関係が築けるようになって、実家のものを触るのが怖くなくなった。様子を見ながらも母に触れるようになった。

今でも自分から触るのは緊張してしまうしあまり自然に出来ないけど、

(良くも悪くも動物的本能なのか、疲労と酔いの頭機能してない時は全然してしまえる)

触りたいと思うこと、触ってもいい人という存在は、ありがたいことなのだと思う。

距離が近いと遠い、何が普通とかないけれども、

疲れちゃった〜寒い〜ぎゅ〜っ!みたいなテンション感で、ハグしてくる女の子いるじゃないですか。

あれ、やられると超緊張するけど、超可愛いしあざとい、私もやりたい。やる。

今日は雪だったけど、2月終わったら春なのか

期間限定桜フレーバー好きだけど、桜の花や木から香った試しがないなぁ。