わたしは今仙台にいます。
春から仙台に就職する地元の友人に会うためです。
岩手から仙台へ行くときはいつも高速道路を使うのですが、今回はJR東北本線を使って2時間半ほどかけてやってきました。
高校生のときでさえ、年に一度乗るか乗らないかだった地元の路線。
東京での4年間の生活を経験したあと乗ってみると、色んな発見があったのでここに書き連ねていこうと思います。
駅のホームからの景色。わたしの好きな文筆家の能町みね子さんが以前インスタで駅舎の外観を褒めていてなんだか嬉しかった!
まず、わたしの最寄り駅は実家から車で20分の所にあります。
電車は1時間に1~2本。
時は2022年、未だにICカードは使えません。
電車が来る10分前になると、駅員さんが改札のドアを開け、切符を渡すとぱちんとスタンプを押してくれるシステムです。いい…。
電車は2両編成(それでもスカスカ)。
ワンマン運転で、ドアは基本的に乗客の手動ボタンで開閉します。
乗り降りにもルールがあるらしく、乗車してからはしばらく車内に貼られた説明書きを読んでいました。おそらくかなり険しい顔をしながら。
システム、東京よりムズいのでは…
説明書きが多くて混乱した。
世界遺産の平泉付近では観光客らしき乗客がカメラで外の景色を撮っていたので、わたしも車窓の向こう側に視線を向けました。
いつも車で通っていた道だったけど、電車の窓から見ると全く違う景色に見えました。空と山の境目が清々しいほどくっきり。
最後に乗った仙台行きの電車では目の前に高校生と思われる女の子が座っており、途中車内で友だちと合流していました。
ひとりのときは真顔で少しツンとしていた表情が、友だちを見つけた瞬間ぱっっと笑顔になったのがすごくすごく可愛くて、とても印象的でした。
仙台には、東京にいた頃からずっと行きたいと思っていた本屋さんがあります。
仙台駅から10分ほどバスに揺られ、狭い路地の石畳を踏んでいくと、その先に古民家のような建物が現れます。大通り沿いに建ち並ぶ店の背中に隠れるように、静かに佇んでいました。
『曲線』というお店です。
「本にかけるお金は惜しまない」
この交換日記で見かけた言葉でしょうか…重い引き戸を開けた先に広がっていた光景を目の当たりにして、ふとこの言葉が頭に浮かびました。
街の大型書店ではなかなか置かれてない、あるいは本棚の片隅で誰にも気づかれないよう静かに呼吸しているような、そんな本たちが集まっていました。
まず、直感でビビッときたものを三冊ほど手に取りました。
支払いのためPayPayをチャージしようと思い、アプリで口座残高を確認してみると見たことのない桁(少ないほうの意味で)に驚愕しました。が、そういえば親戚からもらった卒業祝い金があったなと思い出し、さらに二冊追加してお会計をしました。
そのうちの一冊を紹介します。漫画はあまり買わないのですが、可愛い絵柄のなかに潜む不穏さが刺さり、ぱらぱらとページをめくったのちすぐに腕の中で抱き締めました。
ふぅ……………あまりにもお金がなくてビッックリしたけど、そんなことももうどうでもいいくらい愛おしい本を手に入れた。
お金があるけど本を読めない生活、と、本は読めるけどお金がない生活ならわたしは迷わず後者を選びます。
……いや、ちょっと迷うかも。
でも、あの本屋さんに足を運んだことで、欲しかった香水やアイシャドウの影が、頭のなかですーーっ……と消えていきました。
大切に大切に読んで、ここに感想でも書けたらいい。
素敵な本と出会って、その重みを感じながら歩く帰り道は本当に幸せ…まったく苦じゃない重さだと思います。
今日は友人の家に一泊し、明日またJR東北本線に乗って2時間かけて帰ります。今度は夜の景色を見ながら帰ることになりそうだけど、まっっくらなんだろうな。
次はどんな人たちと乗り合わせるのか楽しみです。
ところで本当にお金が無い。笑っちゃうくらい
お金が無い。
歯科矯正やるぞ〜!なんて思ってたけどそれどころではない。
いい本が買えて幸せでもお金がないことには変わりない、ということにたった今気づき、急に焦り始めました。
それでもわたしは本に惜しまずお金を使うという精神はもうやめられないのだと思います。
ムラタさんに感化され、わたしもDuolingoをインストールしてスキマ時間にちまちま進めています。正解したときの「ピコンッ🎶」という音が快感。